macOS（マックオーエス）

2025年10月16日

macOS（マックオーエス）

英語表記: macOS

概要

macOSは、Apple社が開発・提供するパーソナルコンピュータ向けのオペレーティングシステム（OS）です。OSの基本的な役割は、ハードウェアの管理とユーザーインターフェースの提供ですが、本カテゴリ（情報の単位 → データサイズと容量表記 → OS 表示と換算）においては、macOSがストレージ容量をどのようにユーザーに表示し、換算するのかという点が最も重要になります。

このOSは、特にハードディスクドライブ（HDD）やソリッドステートドライブ（SSD）といった記憶装置の容量表示において、国際単位系（SI単位系、1000ベース）を採用していることが大きな特徴です。この1000ベースの表示方法が、コンピュータ内部の処理で用いられる2進接頭辞（IEC規格、1024ベース）との間に「容量のずれ」を生じさせるため、データの単位を理解する上で格好の教材となるのです。

詳細解説

macOSが「OS 表示と換算」の文脈で重要視される理由は、その容量表記の明確な使い分けにあります。一般的に、ストレージメーカーは容量を販売する際、1キロバイト（KB）を1,000バイトとして計算するSI単位系を使用します。これは世界的な商習慣となっており、macOSはこの慣習に合わせてストレージ容量をユーザーに表示します。

具体的には、macOSの「このMacについて」や「ディスクユーティリティ」などでストレージの総容量を確認すると、10進法（10の3乗単位）に基づいたGBやTBが表示されます。例えば、1テラバイト（TB）は1,000ギガバイト（GB）、つまり1,000,000,000,000バイトとして計算されます。

しかし、コンピュータが実際にデータを処理する際、またはメモリ（RAM）の容量を扱う際には、伝統的に2進法（2の10乗単位）が用いられます。こちらでは1キビバイト（KiB）は1,024バイト、1ギビバイト（GiB）は1,024メビバイト（MiB）として計算されます。

macOSは、ストレージの総容量は1000ベースで表示する一方で、ファイルサイズやOSが実際に使用できる容量の計算は1024ベースで行うことが多いため、ユーザーは「表示上の容量と実際に使える容量が違う」という現象に直面します。この換算の仕組みを理解することで、情報の単位が持つ二面性、すなわち「商用表記（1000ベース）」と「実用計算（1024ベース）」の違いを深く把握できるのです。

この「OS 表示と換算」の違いは、単なる表記ゆれではなく、コンピュータの仕組みと商取引のルールの両方が絡み合っている、非常に興味深いポイントだと思います。

具体例・活用シーン

macOSにおけるデータサイズと容量表記の換算を理解するための具体的な例と、初心者向けの比喩をご紹介します。

1. 実際のストレージ容量の換算例

あなたが「1TB」と表記された外付けSSDを購入し、macOSに接続したとします。

メーカー表記（SI単位系、1000ベース）: 1TB = 1,000,000,000,000バイト
macOSの表示（総容量）: システム情報では「1TB」と表示されます。
実際の容量（IEC規格、1024ベース換算）: 1,000,000,000,000バイトを1024の3乗（1,073,741,824）で割ると、約931.32 GiBとなります。

macOSがこの容量をGiB単位で内部的に扱ったり、他のOS（例えばLinuxなど）で確認したりすると、表示が「約931GB（またはGiB）」と変わることがあります。この「1TB」と「931GB」という約7%の差こそが、OSが表示と換算を使い分けている証拠なのです。

2. 容量の「物差し」の比喩

この容量のずれを理解するために、「物差し（メジャー）」の比喩を使ってみましょう。

あなたは大きな倉庫（ストレージ）を持っています。この倉庫の容量を測るのに、macOSは2種類の物差しを使っていると考えてください。

商売用物差し（1000ベースの物差し）: 1メートルを1,000ミリと数える、一般的な物差しです。ストレージメーカーはこの物差しを使って、「この倉庫は1000メートルありますよ！」と宣伝します。
建築用物差し（1024ベースの物差し）: 実際の建築現場で使われる、少しだけ長い物差しです。この物差しで測ると、同じ倉庫の端から端まで測ったとき、「931単位分しかない」と表示されてしまいます。

macOSは、倉庫の看板（システム情報）には商売用物差しで測った「1000メートル」と書きますが、実際に中に荷物（データ）を詰め込むときや、内部の空きスペースを計算するときは、より厳密な建築用物差し（1024ベース）を使うため、ユーザーは「あれ？看板と実際の容量が合わないぞ？」と感じてしまうわけです。この二つの物差しを使いこなすのが、OSが表示と換算を行う役割なのです。

資格試験向けチェックポイント

ITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験において、macOSの容量表記に関する知識は、SI単位系とIEC規格の理解を問う問題として出題される可能性があります。

1. SI単位系とIEC規格の定義の区別:
- KB, MB, GB（キロ、メガ、ギガ）は通常、1000倍（10の3乗）を意味するSI単位系として扱われます。
- KiB, MiB, GiB（キビ、メビ、ギビ）は、1024倍（2の10乗）を意味するIEC規格（二進接頭辞）であることを明確に区別してください。
2. OSによる表記の違い:
- macOSは、ストレージの販売容量や総容量の表示にSI単位系（1000ベース）を用いる傾向が強いです。このため、ユーザーが購入したストレージ容量と、OS上で認識される容量に差異が生じるメカニズムを理解することが求められます。
- （対照的に、Windows OSは歴史的にKB, MB, GBという表記を用いながらも、内部で1024ベース（IEC規格）で計算していた時期が長かったため、この表記の「混在」が試験で問われるポイントとなります。）
3. 容量換算の計算問題:
- 「1GBのストレージをIEC規格で換算すると何GiBになるか」といった、1000ベースから1024ベースへの具体的な計算手順を理解しておくことが重要です。1TB = 10^12バイトを2^40バイトで割る、といった計算プロセスを練習しておくと安心です。
4. 記憶装置とメモリの単位の使い分け:
- ストレージ（HDD/SSD）の容量は1000ベースで販売されることが多いのに対し、メモリ（RAM）の容量は伝統的に2進法（1024ベース）で扱われます。macOSがこの両方の単位をシステム内でどのように扱っているかを問われた場合、それぞれの単位の特性を理解している必要があります。