スループット (MB/s)(MB/s: メガバイト毎秒)

スループット (MB/s)(MB/s: メガバイト毎秒)

スループット (MB/s)(MB/s: メガバイト毎秒)

英語表記: Throughput (MB/s)

概要

スループット (MB/s) は、ストレージデバイス(HDD、SSD、SANなど)が単位時間あたりに処理できるデータ量を、メガバイト毎秒という「情報の単位」で示す性能指標です。これは、特に大容量のファイルやデータを連続して読み書きする際の速度を評価するために用いられます。この指標は「計測とモニタリング指標」の中でも、ストレージシステム全体の効率性やボトルネックを判断する上で不可欠な「ストレージ指標」の一つです。

詳細解説

ストレージ指標としてのスループットは、主に動画編集、大規模データベースのバックアップ、または仮想環境における大容量ファイルのコピーなど、連続した大きなデータブロックを扱う際の性能を評価するために利用されます。この指標の核心的な目的は、ストレージデバイスがシステム全体のデータ処理要求に対して、十分な速度で対応できているかを確認することにあります。

単位の重要性(情報の単位との関連)

スループットをMB/sで表現する際、この「MB(メガバイト)」という単位が非常に重要です。これは「情報の単位」の基本であるバイト(Byte)に基づいており、ファイルシステムやストレージのブロックサイズは通常バイト単位で管理されています。これに対し、ネットワーク速度でよく使われるMbps(メガビット毎秒)はビット(bit)ベースです。ストレージの文脈では、実際に転送されるデータ量(ファイルのサイズ)を評価するため、バイト単位が標準的に採用されています。1バイトは8ビットですので、単位を混同しないよう注意が必要です。この正確な「情報の単位」を用いることで、ストレージの真のデータ転送能力を客観的に「計測」できるのです。

動作原理と計測

スループットは、データのシーケンシャルアクセス(連続アクセス)時に最大値を発揮するように設計されています。計測時には、数ギガバイト以上のテストファイルをデバイスに読み書きさせ、その処理にかかった時間を測定し、データ量を時間で割って平均速度を算出します。この「計測とモニタリング指標」が高いほど、大量のデータ処理が迅速に行えることを意味します。もし、システムの他のコンポーネント(CPUやメモリ、ネットワーク)が高速でも、ストレージのスループットが低ければ、ストレージがボトルネックとなり、システム全体の処理能力が低下してしまいます。したがって、システム設計において、ストレージ指標としてのスループットは非常に重要な要素となります。

具体例・活用シーン

スループット (MB/s) は、利用者が体感するシステムの快適さに直結する重要な指標です。

  • 大規模バックアップの効率化:
    企業のサーバーでテラバイト級のデータを夜間にバックアップする場合、ストレージのスループットが200MB/sであれば完了までに長時間を要しますが、500MB/sの高性能ストレージを導入すれば、バックアップウィンドウ(バックアップを完了させるために許容される時間帯)内に確実に処理を終えることができます。これは「計測とモニタリング指標」を直接改善する例です。
  • 動画編集やCAD作業:
    高解像度の動画ファイル(非常に大きな「情報の単位」の塊)を編集する際、スループットが低いと、ファイルの読み込みや保存、タイムライン上でのスクラブ(再生位置の移動)が遅くなり、作業効率が著しく低下します。高性能なNVMe SSDが数百MB/sから数GB/sという高いスループットを実現できるため、プロの現場では必須となっています。

物流センターのベルトコンベアによる比喩

スループット (MB/s) を理解するための具体的な比喩として、「物流センターのベルトコンベア」を想像してみてください。

スループットは、「1秒間にベルトコンベアが運べる荷物(データ)の総重量(メガバイト)」に相当します。

このベルトコンベアが、ストレージとCPUの間を繋ぐデータ転送路だと考えましょう。

  1. コンベアが遅い場合(低スループット): 荷物(データ)を大量に処理しようとしても、コンベアがゆっくりとしか動かないため、荷物が滞留してしまいます。CPU(作業員)がどれほど速くても、新しい荷物が届かないため、作業効率はコンベアの速度に制限されてしまいます。
  2. コンベアが速い場合(高スループット): 大量の荷物(大きな「情報の単位」)が流れてきても、コンベアはそれを淀みなく運び続けます。これにより、CPUは常に処理すべきデータを受け取ることができ、システム全体の性能が最大限に引き出されます。

つまり、スループットは、ストレージという供給源から、いかに途切れなく、大量のデータという「情報」を送り出せるかを「計測」するための指標なのです。

資格試験向けチェックポイント

IT Passport、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験において、スループット (MB/s) は性能評価やボトルネック分析の文脈で頻出します。

  • MB/sとMbpsの単位換算の理解(情報の単位):
    最も基本的な出題パターンです。ストレージ(MB/s)とネットワーク(Mbps)の単位の違いを明確に理解し、1バイト=8ビットの換算を正確に行える必要があります。特に、あるストレージの転送速度がMB/sで示されたとき、それをネットワークに流す際の理論的な速度(Mbps)を計算させる問題は頻出です。
  • スループットとIOPSの対比(計測とモニタリング指標):
    スループット(Throughput: 転送量)は、主に大きなデータ塊を連続して処理する能力(シーケンシャルアクセス)を評価します。これに対し、IOPS(Input/Output Operations Per Second)は、小さなデータ塊をランダムに処理する能力を評価します。この二つの「計測とモニタリング指標」の違いと、それぞれがどのようなシステムで重要になるかを理解しておくことが必須です。
  • ボトルネックの特定と改善策:
    システム全体の性能が低下している原因が、ストレージのスループットにあるかどうかを判断するケーススタディが出題されます。「計測とモニタリング指標」を分析し、ストレージの転送速度がCPUやメモリの処理速度に対して明らかに低い場合、ストレージがボトルネックであると判断します。対策としては、RAID構成の変更や、HDDからSSD/NVMe SSDへの換装などが考えられます。
  • ストレージ指標としてのレイテンシとの関係:
    スループット(量)とレイテンシ(遅延時間)はセットで問われることが多いです。高いスループットを達成できても、レイテンシが非常に大きい場合、ユーザー体験は悪化します。両者のバランスがシステム設計において重要であることを理解しておきましょう。

関連用語

  • IOPS (Input/Output Operations Per Second): スループットがデータ量(大容量)の指標であるのに対し、IOPSは処理回数(小容量)の指標です。ランダムアクセス性能の評価に用いられます。
  • レイテンシ (Latency): データ転送要求から応答が返ってくるまでの遅延時間。スループットが高くてもレイテンシが大きいと、体感速度は低下します。
  • MB (メガバイト): 「情報の単位」の基本であり、ストレージのスループットの基準となる単位です。

情報不足: 現状、この用語集にはレイテンシやIOPSに関する詳細な情報が不足しています。スループットは、これらの対となる「計測とモニタリング指標」と比較することで、より深く理解できます。システム性能の全体像を把握するためには、IOPSとレイテンシの詳細な解説が「ストレージ指標」のカテゴリに追加されるべきです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

両親の影響を受け、幼少期からロボットやエンジニアリングに親しみ、国公立大学で電気系の修士号を取得。現在はITエンジニアとして、開発から設計まで幅広く活躍している。

目次